eSIMとは?次世代の最新技術をわかりやすく解説

eSIMとは?仕組みをわかりやすく解説
及川章介
格安SIM・eSIMアドバイザー
eSIM・デュアルSIM利用歴2年。22年auの通信障害をきっかけに、スマホ1台で複数回線(楽天・povo)契約。年間6万円以上の節約にも成功!同じ思いで悩んでいる方に向けて、eSIM導入講座サイトを開設。格安SIM販売員の勤務歴も活かし、おすすめの格安SIMキャリアも併せて紹介しています。

初めてオンラインで乗り換える際「eSIM」という言葉を目にした方も多いかと思います。

全く聞き馴染みのない言葉ですが、esimについてざっくりと説明すると

eSIMとは・・・
  • eSIMはSIMカードの進化形
  • スマホ1台で複数のキャリアを併用できる!
  • オンラインで申し込んでも即日で使える

ここでは、eSIMについての仕組みなどを詳しく解説。

物理SIMとの違い、eSIM普及における恩恵や課題、また今後の展望についての政府の声についても、わかりやすく解説します。

この記事でわかること

そもそもSIMとは

まずSIM(シム)とは「Subscriber Identity Module」の頭文字を略したもの。

スマートフォンなど端末に収める小型のICカードで「SIMカード」とも言います。

ドコモは「UIMカード」、auは「au ICカード」、ソフトバンクは「USIMカード」と呼ばれていますが、いずれもSIMカードと同じ意味・役割です。

SIMカードの仕組み・役割

SIMカードには、各携帯電話会社から提供される電話番号と契約情報を記録する役割があります。

SIMカードを挿入することにより、Wi-Fiがない環境でも、ネットや通話など、各種サービスが利用できます。

SIMカードは、契約情報を暗号化した上で保存するため、セキュリティ面は万全で、安全性も高いです。

またSIMカードは抜き差しができます。そのため、機種変更する際は新しい携帯電話に移すだけで、これまで通りに通話やネットを使用することができます。

端末を自分で用意することができれば、店舗でわざわざ機種変更の手続きをする必要はありません。

SIMカードのサイズは3つ

SIMカードには「ミニSIM(miniSIM)」「マイクロSIM(microSIM)」「ナノSIM(nanoSIM)」の3種類あり、サイズの大きい順に「ミニSIM」>「マイクロSIM」>「ナノSIM」となります。

端末のスペースを最小限にできることから、現在販売しているスマホは、ほぼ全て「ナノSIM(nano SIM)」を採用しています。

近年はインターネットに接続できる家電「IoT機器」が普及していることから、ミニSIM・マイクロSIM・ナノSIMの3サイズすべてに対応した「マルチカットSIM」が主流となっています。

マルチカットSIMは、挿入する端末の形状に併せて、自分の手で簡単にカット出来るのが特徴です。

eSIMとはなにか?

eSIM(イーシム)とは「Embedded-SIM」の略で、スマホなど電子機器の基盤に直接組み込まれたSIMです。

eSIMの”e”は「組み込み」を意味します。

遠隔で電話番号などの契約情報を記載することができるため、次世代のSIMと言われています。

Iot機器での搭載が始まり

もともとは企業のIoT機器向けに開発されたもので、2016年トヨタ自動車の通信回線の統合管理・監視が行えるよう整備されたことがきっかけです。

携帯業界においては、2018年にアップル社のiPhone XS・iPhone XS Max・iPhone XRで初めてeSIM規格に対応。近年はAndroidスマートフォンやタブレットでもeSIMを採用されるなど普及が進んでいます。

スマホにおいてeSIMは、SIIMカードを収納するスペースが必要ないため、より自由度の高いデザインが可能です。

現状日本国内において、eSIMはまだまだ発展途上段階ではありますが、世界に目を向けると既に55カ国以上でeSIMの導入が進んでおり、2024年には世界のスマホ出荷台数の33.8%がeSIM対応機種になるとの予測も示されています。

eSIMの仕組み

eSIMも加入者情報を記録するため、従来のSIMカードと同じ役割ではありますが、eSIMはスマホ内にSIMが直接内蔵されています。

そのため通話・インターネットを利用する際は「プロファイル」と呼ばれる、電話番号などの契約情報を遠隔で記録する仕組みです。

このプロファイルを、契約するキャリアからダウンロードすることで、物理SIMと同じように通話やネットが使えます。

eSIM3つの特徴

eSIMの特徴は大きく3つ挙げられます。

  • 端末とSIMが一体している
  • オンラインでも契約から開通まで即日で完結
  • スマホ1台で2回線使える

eSIMは、端末の基盤と一体で内蔵されています。

そのため契約情報をオンラインで書き込めることができるため、キャリアの契約から開通まで最短即日での対応が可能です。

eSIMはデータで管理できることから、1台で2回線掛け持つ「デュアルSIM」としての利用もできます。

従来のSIMカードでもデュアルSIMで運用することができますが、契約するキャリアごとにSIMカードを所有する必要がありました。

当然スマホに収められるスペースにも限りがありますので、対応するスマホの種類はかなり少なく、デュアルSIMにする場合は物理的にスマホを2台にして持ち歩くことが多かったです。

一方でeSIMはデータで契約情報を管理することが出来るため、物理的にスペースを増設する必要はありません。

そのため、スマホ1台でも複数の会社を同時に使うことができます。ここがeSIM最大の特徴です。

eSIMと物理SIMカードの違い

eSIMと物理タイプのSIMカードの違いは、大きく3つの観点であります。

  • 利便性
  • 契約から利用まで
  • 初期費用

それぞれ特徴が異なりますので抑えておきましょう。

eSIMと物理SIM「利便性」の違い

  • 物理SIMで回線を複数持つ際は2台持ちが鉄則
  • eSIMはスマホ1台でいくつものキャリアを掛け持つことができる

物理SIMは、端末に収めるスペースに限りがあります。

そのため、スマホ1台につき原則一枚しかSIMカードを差し込めないため、一つのキャリアでしか通信が利用できません。

eSIMはファイルで契約情報を保管するため、物理的なスペースは不要。データで管理できることから、スマホ1台で複数キャリアの通信が使えるのが特徴です。

eSIMと物理SIM「契約から開通までの時間」の違い

  • 物理SIMはSIMカードの発行に時間がかかる
  • eSIMはデータを入れれば、すぐに使い始められる!

オンラインで契約する場合、物理SIMは一人ずつSIMカードを作成し、郵送する必要があります。

受付が集中するタイミングであれば、開通まで最短でも1週間前後要することから、物理SIMでのオンライン契約にはデメリットが多いのが特徴です。

一方で、eSIMは遠隔で契約情報を書き込むだけで使えるため、契約から開通まで即日で完結しま。スムーズにいけば、申込みから最短1時間以内で完了します!

eSIMと物理SIM「初期費用」の違い

  • 物理SIMの初期費用は平均3,000円台
  • eSIMは初期費用無料のキャリアもある

物理SIMはSIMカードの作成、発行が必要となるため、ほとんどの携帯キャリアで初期費用は有料です。

eSIMは契約データのダウンロードで利用できるため、オンラインで申し込むと物理SIMよりも安くなることがほとんど。中には初期費用無料で使えるキャリアもあります。

意外とこの点は気にしていない方も多いですが、例え月々の料金が安くても、初期費用が高いことを考えると、eSIMで契約すると同じプランでも長期的に見てもお得です。

eSIMは物理SIMよりも安全?

eSIMは、SIMカードの抜き差しができせん。

そのため、SIMが盗まれるたり、複製されることが無いので物理SIMより安全に使えます。

日本において、SIMカードを盗むことは滅多にありませんが、海外で滞在する人には、eSIMのほうが安全に使えるので特におすすめです。

eSIMの場合、万が一スマホ本体が盗まれても、通信会社に連絡すれば、スマホごとロックがかかって使えなくなります。

またパスコードを設定し、規定回数間違えるとデータがすべて消去される機能もありますので、スマホ一体のeSIMのほうが安全に使えます。

eSIMを使うメリット・デメリット

まずeSIMにおける、デメリットは以下の3つが挙げられます。

eSIMのデメリット
  • eSIMに対応するキャリア・機種が少ない
  • 契約の際、初期設定時にネット環境が必要
  • 機種変更が面倒

例えばスマホが故障した際、物理SIMで使っていた場合はSIMカードを代替機に差し変えれば、すぐに使えます。

一方で、eSIMは新しいスマホに機種変更するたびに、データを書き換える必要があります。つまり、故障や機種変更をするたび、SIMを再発行する手間が生じるわけです。

このように不測の事態が起きた際、eSIMは復旧に時間を要するリスクがある点はeSIM最大の欠点です。

一方でeSIMにおけるメリットについては以下の通りです。

eSIMのメリット
  • 自宅から申し込んでも即日で使える
  • SIMカードの紛失や盗難のリスクがない
  • スマホ1台で複数のキャリアを併用できる


eSIM最大のメリットは、物理SIMカードのように差し替えをしなくても良いこと。

eSIMはオンラインでの契約が基本なので、開通の手続きは自宅で完結。書類のやり取りも不要なので、契約や乗り換えが簡単にできます。

またスマホ1台で電話番号を2つ持つことも、eSIMでは容易にできます。柔軟な使い方ができるのもeSIMならではの魅力です。

eSIMのデメリットやメリットについては、以下の記事で詳しくまとめています。

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eSIMの契約から開通までの流れ

eSIMで契約する場合、多くのキャリアはオンラインのみの対応です。

そのため、eSIMの申込みから開通まで、すべて自分自身で行う必要があります。

では実際に新規として、eSIMの契約から開通までの流れについて「LINEMO(ラインモ)」を例に見てみると、、

eSIMの切り替え手順
  • LINEMOの公式サイトで申し込みをする
  • オンラインで本人確認する
  • アプリでプロファイルをダウンロードし利用開始

オンライン限定のプランは、専用のアプリを使って簡単に契約・初期設定できるように各社工夫されています。

そのため画面の指示通りに操作すれば、専門知識がなくても簡単に開通できます。

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eSIM関するよくある質問

eSIMに関してのよくある質問は以下の通りです。

eSIMを使用するためには何が必要ですか?

eSIMの契約には本人確認書類。初期設定時には契約データをダウンロードするためWi-Fiなどのネット環境が必要です。なお利用にはeSIM対応キャリア・端末であることが条件です。

>>【23年7月】eSIM対応キャリア12社まとめ

>>【23年7月】eSIM対応機種まとめ

eSIMから物理SIMカードに変えることはできる?

eSIMから物理SIMへ変更することは可能です。

変更の申込み方法についてはキャリアによって異なりますので、事前に契約しているキャリアで確認しておきましょう。

Apple WatchでもeSIMは使えますか?

「セルラーモデル」においてeSIMの利用ができます。

Apple Watchには「GPSモデル」「セルラーモデル」の2種類あります。

スマホ1台でeSIMはいくつまで入れることができますか?

端末の種類によって異なりますが、基本的にスマホ1台で1つのeSIMが登録できます。※iPhoneは8つ以上のeSIMを登録することができます。

eSIMで使える格安SIMはありますか?

2023年7月時点でeSIMに対応している格安SIMは12社あります。

>>詳しくはこちら

eSIMで契約するキャリアを海外で使う場合、電話番号はどうなりますか?

国内で契約した電話番号でも海外で使用することができます。

ただし格安SIMは、キャリアによって海外で通話やネット使えない場合があります。

eSIMと物理SIMを併用して使うことはできますか?

eSIMと物理SIMを同時に使うこともできます。

例えば、物理SIMは現在ドコモと契約していて、eSIMで格安SIMを追加で申し込んで使うこともできます。

eSIMと物理SIMで電波の悪さや通信速度に違いはありますか?

SIMは契約情報を保存するのが主な役割のため、通信速度や動作速度に違いはありません。

動作についてはスマホ本体の問題です。

今使っているスマホがeSIM対応しているのか確認する方法は?

スマホの設定アプリから確認できます。

設定アプリから「端末情報」をタップ。eSIM対応機種であれば「EID」と書かれた32桁の数字が記載されています。

>>eSIM対応機種の確認方法

eSIMは複数端末での切り替えや同時使用はできますか?

eSIMは端末内に直接組み込まれているため、一つのSIMの情報を複数の端末で使い回すことはできません。

また同時使用もできないので、機種変更時はSIMを再発行する必要があります。

eSIMの今後の未来

eSIMは、今後のモバイルデバイスの未来を担う存在です。

実際に総務省も、eSIMの普及に注力することを2021年に表明し、大手キャリア各社は早速、eSIMの提供に対応しています。

さらに政府は、年間の訪日観光客数を2030年までに約6,000万人にする目標を掲げています。

これを実現するためにも、国内におけるスマホの利用・利便性の向上が必須の課題です。

世界に目を向けると、2022年にはアメリカ版のiPhone14シリーズでeSIM限定モデルが販売しています。日本国内も今後はeSIMのみに対応したスマートフォンも続々と登場するでしょう。

まとめ

社会情勢の変化により、携帯電話業界においても、あらゆるシーンでオンライン化が当たり前になりつつあります。

今後eSIMに乗り換える動きは、間違いなく今後加速していきます。完全オンライン化になる今のうちにeSIMへの移行を検討することをおすすめします。

eSIMの仕組みがわかりましたら、次のステップでは、実際にeSIMを1年以上使ってみて感じた「eSIMのメリット・デメリット」について確認していきます。

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※この記事は以下のサイトの情報を参考に解説しました。

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