iPhoneでデュアルSIM運用をしたい。
そんな方に向けて、iPhoneでeSIMを使う方法を始め、eSIMにするメリット、iPhoneの機種変更を検討している方には、安く購入できるキャリアも併せて紹介します。
事前にeSIMで契約できるキャリアを確認しておきましょう。
eSIMとは
eSIMとは、スマホなど端末に組み込まれたデジタルタイプのSIMカード。eSIMの”e”は「組み込み」を意味します。
eSIMは、従来の物理タイプのSIMカードの進化版で、携帯キャリアの契約情報が入ったファイル「プロファイル」を遠隔で書き変えたり、保管できる仕組みです。
歴史が浅いため、現在は物理タイプのSIMを利用する方がほとんどですが、SIMカードを発行するコストや時間を節約できることから、今後はeSIMが主流となります。
eSIMはスマホ1台につき1つありますが、iPhoneでは8つ以上のキャリアの契約情報を格納できるため、複数の電話番号を併用して使える特徴があります。
iPhoneでeSIMを使う3つのメリット
デュアルSIMで使える
iPhoneはeSIMと従来タイプの物理SIMカードとのデュアルSIMで利用できます。
デュアルSIMとは、スマホ1台で2つの通信キャリアを使い分けられる機能です。2020年以降、政府が携帯料金の値下げを指示したことから、各社プランは安く提供されています。そのため2回線を契約しても安く使えるようになっています。
それどころか、複数回線にすることで、1つの会社で使うよりも月々の料金が安くなるケースもあります。
シングルSIM (ドコモ) | デュアルSIM (IIJmio・povo2.0) | ||
---|---|---|---|
月額料金 | 2,167円 | 660円 | 0円 |
データ容量 | 3GB | 5GB | 0GB |
かけ放題 | 5分かけ放題:月880円 | ー | 5分かけ放題:月550円 |
月額合計 | 3,047円 | 1,210円 |
例えば、ドコモで「irumo 3GBプラン(月2,167円)」と「5分かけ放題オプション(月880円)」を利用している場合、毎月合計3,047円。
これをデータ通信をIIJmioの「ギガ専用5GBプラン(月660円)」、通話オプションをpovo2.0の「5分かけ放題トッピング(月550円)」のデュアルSIMだと、毎月合計1,210円。
このように1社で使うよりも月額料金が半額以下で使えるわけです。
しかも通信回線も2つに分散したことで、例え片方で通信障害が起きて使えなくなっても、もう一方の回線で引き続き使えます。
安全面でもデュアルSIMのほうがメリットが大きいです。
8つ以上のeSIMを利用できる
iPhoneはeSIMでのデュアルSIM運用が可能ですが、iPhoneは8つ以上、つまり8つの通信キャリアをiPhone1台で運用することもできます。
これはiPhoneならではの特徴で、Androidでは多くの機種が最大2つまでと制限されているためiPhoneは柔軟な使い方ができます。
また電話番号も同時に2つ使えますので、デュアルSIM運用でもiPhoneはおすすめです。
初期費用が安い
eSIMはオンラインで契約情報を端末に記録できることが特徴です。
そのためSIMカードの発行、格安SIMで契約した場合はそれを郵送する必要がないため、eSIMは物理SIMよりも初期費用が安いことが多いわけです。
物理SIMカードで契約すると、契約事務手数料やSIMカードの発行、郵送費を含めると、初期費用は4,000円ほどかかりますが、eSIMは1,000円、無料で契約できるキャリアもあります。
格安SIMの場合、せっかく安い月額プランを見つけても、初期費用が高くなってしまっては、結局数カ月分の通信料を上乗せして支払う形となり、非常に勿体ないです。
eSIMは利用者は自宅からでも簡単に契約でき、キャリア側はコストの削減になることから、将来的には携帯電話の契約はeSIMへの一本化になっていきます。
いずれeSIMの導入が必要になりますので、検討している方はこの機会に導入しておくと後々楽になるのでおすすめです。
iPhoneでeSIMを利用する3つの注意点
eSIMを利用・設定する前に、必ず確認しておくべき注意点をまとめて解説します。
eSIMに対応しているiPhoneであるか確認する
eSIMはまだ新しい技術であることから、対応している機種が限定されます。
2018年9月発売のiPhoneXS・XSMax・XRシリーズ以降のiPhoneではすべてeSIMに対応しています。
eSIMに対応しているiPhone一覧
2023年10月時点でのeSIM対応のiPhoneの具体的なモデルは以下の通りです。
- iPhone 15/15 Pro/15 Pro Max/15 Plus
- iPhone 14/14 Pro/14 Pro Max/14 Plus
- iPhone 13/13 Pro/13 Pro Max/13 mini
- iPhone 12/12 Pro/12 Pro Max/12 mini
- iPhone 11/11 Pro/11 Pro Max
- iPhone SE(第3世代/第2世代)
- iPhone XR
- iPhone XS/XS Max
バックアップを済ませておく
eSIMはスマホ一体型のSIMであるため、設定時に思わぬトラブルが発生することが想定されます。
その際に端末を初期化する必要も十分に考えられますので、乗り換え作業に入る前にバックアップをしておきましょう。また、機種変更時にも前のデータを引き継ぐことができるため、新しいスマホでもデータを維持できます。
SIMロックを解除しておく
今使っているiPhoneにて、別のキャリアでeSIMを使う場合、SIMロックになっていると動作保証端末であっても使うことができません。
SIMロックとは、キャリアで販売しているスマートフォンに、他社のeSIM・SIMカードを使用できないようにロックする仕組み。SIMロックがかかっている端末には、同じキャリアのSIMカードでなければ使用できないため、他社でも使えるように、SIMロックを解除する必要があります。
法改正で2021年10月以降に発売したスマートフォンは、SIMロックが原則禁止されたため手続きは不要ですが、それ以前のiPhone13含む古いモデルで引き続き使う場合には、SIMロックがかかっている可能性が高いので必ず確認しておきましょう。
なおSIMロックの解除は各社無料で受け付けており、オンラインでも手続きが可能です。
iPhoneでeSIMを使う3つの手順
1.携帯キャリアにてeSIMで申し込みをする
eSIMを利用するには、まず契約するキャリアにてeSIMで申し込むことが大前提です。
現在契約しているキャリアのままeSIMに変更することも可能です。
その場合は、まず契約中のキャリアにてeSIMの変更を申し出た上で、次の手順から勧めていきましょう。
2.iPhoneにて契約情報をダウンロードする
eSIMでの申し込みが完了したら、プロファイルをダウンロードするためのQRコードが発行されます。
プロファイルとは、iPhoneでの設定を一括して行うファイルのことです。
プロファイルをダウンロードすることで、自宅からでも簡単に通信回線を使うことができます。
- 別の端末にて、設定用QRコード画面を表示しておく
- 「設定」アプリで「モバイル通信」を開く
- 「モバイル通信プランを追加」を選択
- QRコードを読み込み、モバイル通信プランのインストールする
- 「モバイル通信プランを追加」を選択
QRコードを読み込ませる際、また一部キャリアでは、別の端末を表示させた上で、利用するiPhoneにてQRコードを読み込ませる必要があります。
別の端末がない場合は、QRコード部分を印刷して読み込ませて認証する方法もできます。
アプリストアにて「コンビニ プリント」で検索すると、自宅にプリンターがなくても印刷が可能です。
また専用アプリから画面の指示に従うだけで簡単に開通できることもありますので、詳しくは各キャリアにお問い合わせください。
開通作業はこれで完了です。電波のマークが表示されない場合は、端末を再起動しましょう。
3.利用するSIMを選択する
デュアルSIMでiPhoneを使う場合は、状況に合わせて、回線の切り替えをおこないましょう。
- 「設定」→「モバイル通信」をタップ
- 「副回線」をタップ
- 画面上部にeSIMの通信事業会社名が表示されていることを確認して「この回線をオンにする」をスワイプ
- 「モバイル通信」をタップ
- 「ネットワーク選択」がeSIMの通信事業会社の回線になっていることを確認
iPhoneでの回線の切り替え方法は以上です。
回線を切り替えても通話やネットができない場合も、まずはiPhoneを再起動しましょう。
なおプロファイルを消去した場合は、再発行となりキャリアによっては追加費用がかかることがあります。
改善しない場合はまず契約しているキャリアに問い合わせるようにしましょう。
eSIMを設定できない場合のチェックポイント
iPhoneでeSIMを設定しようとしても、うまくいかないことがあります。その場合は、以下のチェックポイントを確認してみてください。
- ご利用のiPhoneのモデルがeSIMに対応しているかどうか
- ご利用の通信事業者やプランがeSIMに対応しているかどうか
- ご利用の地域が通信事業者のサービスエリアに入っているかどうか
- iPhoneのソフトウェアが最新版にアップデートされているかどうか
- iPhoneの「設定」>「一般」>「情報」で、「EID」の下に番号が表示されているかどうか(表示されていない場合はAppleサポートに連絡する)
- eSIMを設定する際に必要なQRコードやアクティベーションコードが正しく読み取れているかどうか(読み取りエラーが出た場合は通信事業者に連絡する)
- eSIMを設定する際に必要なWi-Fi接続や携帯電話回線の接続が安定しているかどうか(接続が不安定な場合は別の場所や時間帯に変えてみる)
これらのチェックポイントを確認しても、eSIMを設定できない場合は、通信事業者やAppleサポートに問い合わせてみてください。
eSIMの設定方法
eSIMを設定する方法は、以下の通りです。
- iPhoneの「設定」>「モバイルネットワーク」に移動します。
- 「プランを追加」をタップします。
- 通信事業者から提供されたQRコードやアクティベーションコードを使って、eSIMのプランを登録します。
- eSIMのプランに名前を付けて、デフォルトの通話やデータのプランを選択します。
- eSIMの設定が完了したら、「完了」をタップします。
eSIMでデュアルSIMとして使う方法
eSIMでデュアルSIMを使う方法は、以下の通りです。
- 通話やSMSを送受信する際に、使用する電話番号やプランを選択できます。電話番号やプランは、連絡先ごとに設定することもできます。
- データ通信する際に、使用するプランを選択できます。デフォルトのデータプランは、一つだけ設定できます。ただし、ローミング時には、別のデータプランを使用することもできます。
- 両方の電話番号やプランに対して、個別にモバイルデータオプションや通知オプションなどを設定できます。
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まとめ
iPhoneでeSIMを使うと、Androidスマホと比べてeSIMをたくさん保管できるため、より柔軟な使い方ができるメリットがあります。
携帯料金が値下げされた近年は、複数回線を保有していても高くならず、むしろデュアルSIMにすることで安くなる可能性もあります。
通信回線が増えることで、通信障害時に使えなくなるリスクも軽減されますので、iPhoneでeSIMを導入する方は、ぜひこの機会に乗り換えをおすすめします。
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